2018年04月30日

島津亜矢さんのテレビ・ラジオ出演(2018年4月)

2018年4月の島津亜矢さんのテレビ・ラジオ出演の記録です。

4/3(火) 13:00〜14:00 NHK-FM「歌謡スクランブル ▽かけがえのない人へ(2)」
『帰らんちゃよか』

4/8(日) 19:30〜20:59 BSプレミアム「新・BS日本のうた」
『丘は花ざかり』(藤山一郎)
『道』(「迷子になっている人」に歌ってほしいとおっしゃっていました)
スペシャルステージ(男歌女歌名曲集 男女さかさま対抗戦)
『男船』(井沢八郎)
『出世街道』(畠山みどり) 島津亜矢+杜このみ
『川』(北島三郎) 
https://youtu.be/ScdDJNW7iHQ
※亜矢さんはふだんから男歌をいっぱい歌っておられるので、意外性がまったくありませんでした。視聴者がもっとびっくりするような曲を選んで欲しかったと思います。

4/15(日) 5:30〜6:00 テレビ東京「洋子の演歌一直線」※岡山では映りません(;;)
http://kakaku.com/tv/channel=12/programID=627/episodeID=1154571/
『愛染かつらをもう一度』
https://youtu.be/hOh0rnAcbE4
『道』
https://youtu.be/GifJ-QziO5A

4/17(火) 19:30〜20:15 NHK総合「うたコン〜リズムにのって!心躍る昭和歌謡」
『お祭りマンボ』島津亜矢+杜このみ
『道』

4/29(日) 10:05〜11:50 NHK ラジオ第1「歌の日曜散歩」
『The Rose』
『海鳴りの詩』
『I Will Always Love You』
『道』
タグ:島津亜矢
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2018年04月27日

ローズの秘密の頁

シネマクレール丸の内で『ローズの秘密の頁』を観ました。

公式サイト
http://rose.ayapro.ne.jp/


ちょっとイマイチだったかな……。

若いときの主人公を演じた女優さんがツボにはまらなかったので。年をとってからのヴェネッサ・レッドグレイブはさすがによかったし、この人は好きなんですけど。若いときのカップルにあまり緊張感がなくて、なんだかむざむざと、自ら悲劇を招いてしまったように思えました。

また、現在のパートの精神科医もちょっと鈍い感じ。看護士がそれとなくヒントを言わないと肝心なところに気づかないタイプ。いじいじしてしまいました。

ネタバレですが……






















母と子の映画とえいが、ジュディ・デンチのでた『あなたを抱きしめる日まで』の方が見応えがありました。
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2018年04月24日

港町

4月22日、シネマクレールで『港町』を観ました。想田和弘監督の観察映画第7弾だそうです。

公式サイト
http://minatomachi-film.com


『牡蠣工場』に続いて、牛窓が舞台。70代半ばの漁師・ワイさん、いつも元気におしゃべりしまくるクミさん、そのほかたくさんの方々の生活が撮られています。その中でやはりクミさんの印象が一番強かったです。
ワイさんとの仲良しで、よくしゃべっているのに、ワイさんがいないところではけっこうぼろくそに言ったりするんです。またやはり仲良くしておられる子どもが8人という女性のことも、目の前で子どもとはうまくいってないとか平気でしゃべります。そんなときにはいつもはやさしそうな女性も、けっこううんざりしたような表情です。

みんなさみしいんですね〜。うちの母も父が亡くなってから、少しずつ認知症の症状が重くなっていきましたが、ぼくたちがテレビをみていても、話しかけてきて、ともかく喋りまくっていた時期がありました。テレビを見ているときでなくても、他の話をしたり、音楽を聴いたりしていても、ともかく自分の話をしゃべり始めて、延々と続けるんです。もうこちらも他のことをするのはあきらめて、適当に相槌をうったりしていました。ひとりぐらしが出来なくなって、最初はサ高住、それも無理になって、次はグループホーム……と移りましたが、それほど弱っていなかった頃はけっこう息子の自慢話とかしゃべっていたようです(とほほ……)。でも次第に静かな人になっていき、皆さんにも可愛がられるようになりました。

大衆演劇を観に来る年配の方々の中にも、やはりさみしそうな方もおられます。新開地劇場でいつも最前列通路ぎわを予約していた女性も、並ばなくてもいいのに、朝早くから列に並んで他の方々とおしゃべりしておられました。家族とこられたのは見たことがありませんでした。いつも一人で観に来ておられました。この方の姿をみかけなくなってからもう何年もたちました。他にも高齢の方はだんだんと消えていかれます。施設にでも入られたのでしょうか。

そんなこんなを思いながら映画を観ました。

移住してきた若い人も出てきたりしますが、基本的に年寄りばかりの町になっています。猫も多いです。笑えるシーンも多いです。網をしかけて漁をするところも延々と映っていましたが、漁をするってこんなに大変なことなのか(特に網から魚をはずすところ)!とすごくよくわかりました。網にかかった魚が死なないように、巻き取りながらいろんなバケツなどに網にかかったまま入れていくんです。そして、海の水をすくってかけてやります。それが済んでから、ひとつひとつ外してゆくんです。また、魚屋さんの朝の仕事も大変ですね。まずせりに行って魚を仕入れます。店に持って帰った魚を夫婦でさばいていきます。これも本当に大変な仕事。そして、パックに入れて重さをはかり値段を記入。買いに来れない人のために軽トラックで販売にいくんです。でも、最近は魚も取れなくなったり(なまこは潜水で撮る人たちが石の下に隠れているのまでみなとってしまい、もうそのあたりでは絶滅してしまったそうですし、温暖化の影響なのか、理由はわかりませんが、それまでとれていたさかながどんどんとれなくなったりするんだそうです)、スーパーで冷凍や冷蔵の魚を買う人も増えてしまっているそうです。

お墓もどんどんよそに移っていくんだとか……。自分の家のではない墓石が上から落ちてきたり、知らないうちに置いてあったり……。不思議なことも起こるものです。

20年後のこの町はどうなっているんでしょう。

長い映画ですが、面白く観ることができました。おススメです。

※『精神』の山本先生の姿も観れます。少し太られたみたいです。

ところで『港町』上映直前に、新作・観察映画第8弾『ザ・ビッグハウス』の予告編が上映されました。

なんとアナーバーのミシガン大学のアメフット・スタジアムがテーマのようです。『港町』のようなずしんとくる映画ではなさそうですが、ミシガン大学はぼくが博士号をとって最初に就職した学校です。スポーツにはほとんど関心がないのでこのスタジアムには一度も行ってませんが、なんか観てみたいです。楽しみです。
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2018年04月23日

仁義

4月22日、シネマクレールで『仁義』を観ました。アラン・ドロンの出る犯罪者の映画です。

公式サイト「ジャン=ピエール・メルヴィル監督特集上映」
http://mermaidfilms.co.jp/jp-melville/


すみません、よく筋のわからないところがいっぱいあって、あまり内容を理解できていません。
冒頭、仏陀の言葉が紹介されて「赤い輪」ということばが出てきます。それがこの作品の原題「Le Cercle Rouge」になっているらしいんですが、その仏陀の言葉の意味がさっぱりわかりませんでした。なのでこの映画と「赤い輪」の関係がそもそもわかりませんでした。どうしようもないですね。

で、アラン・ドロンはなにかの罪でマルセイユの(?)刑務所に入っているんですが、明日出所という晩に、ひとりの看守からなにか仕事の話をもちかけられるんです。その話がどうなったのかは不明のまま、出所したアラン・ドロンは昔のなじみ(ボス?〜アラン・ドロンの女を奪っているという設定)のリコのところにやってきて、金を奪います。リコの部下が金を取り返しにきますが、うまく痛めつけて、逃走、中古の車を買ってパリ方面に向かいます。

もう一人の主人公ヴォジェルは、全く事情は説明されませんが、刑事らしき男マッティ(これも主人公の一人)にどこかに列車で護送されている様子。はめられていた手錠を安全ピンではずして、寝台車の窓から逃走します。マッティは主要道路に検問所を設けさせます。

ここでぼくは勘違いをして見続けていたのですが、アラン・ドロンはこの脱走犯ヴォジェルの逃走を助けるために車で移動しているのかと思っていたんです。アラン・ドロンが道路沿いのレストランで食事をしているすきに、ヴォジェルが鍵のかかっていなかったアラン・ドロンの車のトランクに忍び込みます。でもこれって本当に偶然だったんですね。あれやこれやあって、アラン・ドロンを追ってきた連中をヴォジェルが始末し、二人は友人になりますが、アラン・ドロンの奪って持っていた金は銃撃で穴が開き、血まみれになり使えなくなります。ともかく二人はパリに逃げてきます。そこにはアラン・ドロンのアパートがあるんです。

アラン・ドロンは看守から持ちかけられていた宝石店強盗を実行しようとします。でもそれには狙撃の名人が必要(なんでかは、最初はわかりません)。そこで登場するのがイブ・モンタン。アル中だけど、プロ中のプロ。

結局、強盗は成功するのですが、ヴォジェルを追い求める刑事の罠にかかり、3人は……という話。

3人の絆はたしかにあったと思いますが、イブ・モンタンがなんで二人を助けようとしたのか、さっぱりわかりませんでした。『仁義』というタイトルからもっと違う雰囲気の映画を想像していましたが、けっこうあっさりした内容でした。

それから、最初、ヴォジェルが逃走したとき、ものすごい数の憲兵たちによる捜索が行われるんですよ。そんなに人をかり出せるんなら、なんでけちって、たった一人の刑事が犯罪者をどこかへ移していたんでしょうね。せめて二人にして、夜も、ひとりは起きていて、ずっと見張っていれば手錠をハズされるようなことはなかったでしょう。納得がいきません。

刑事がどういうきっかけでどういうふうにして3人を罠に掛けたのか、それとリコがなにか絡んでいたのか、その辺を見過ごしてしまったのか、さっぱりわかりませんでした。ちょっと寝ちゃったせいもあるかも。

またなにか思い出したら、書き足します。今日はこれぐらいでおしまい。
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2018年04月12日

劇作家・秋元松代

先日、時間があったので、丸善をぶらぶらしてみました。演劇の本でほしいものがありましたのでいってみたら、棚に並んだ本の中から「秋元松代」という名前が飛び込んできました。「劇作家 秋元松代――荒地にひとり火を燃やす」(山本健一著、岩波書店)でした。この方のことはずっと気になっていたのですが、ほとんど何も知りません。めぐり逢いっているのはこういうものかと思い、すぐ購入しました。

このブログでも何度か秋元松代さんの作品について書いたことがある気がしますが、ぼくが芝居にはまるきっかけを作ったのが秋元松代さんの『七人みさき』でした。高校2年生のときにNHKのテレビドラマで観ました。

資料:
http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-12393
第25回芸術祭優秀賞受賞作品。「高知県の山村を舞台に、土俗臭濃い人間の情念と過疎問題を描き、現代日本の魂のあえぎを浮き彫りにする。「みさき」とは怨霊を意味する高知県の方言で「七人みさき」とは旧正月に女が死ぬと、同じ村の女七人が次々死ぬという伝説である。測量技師・香納大助(清水紘治)が、開発の仕事のため影村を訪れると、つじで七人の女たちが輪になって酒を飲んでいる。旧正月に女が死んだので「七人みさき」をのがれようとする習わしだった。彼女たちの夫はすべて出稼ぎ中。大助はその中の一人、壷野藤(緑魔子)と親しくなるが、藤は影村の開発をことさらに遅らせ、静かな別荘地として売り出そうと考える大地主・光永(高橋昌也)の一族で、大助は藤のペースに巻き込まれてしまう。【この項、「読売新聞」1970/11/08付より引用】」東京ニュース通信社刊「テレビドラマ全史」では放送枠・22:10〜23:40と記載されている。1971/01/23(土)にNHK「長時間ドラマ」枠(土曜22:10〜23:40)にて再放送された。脚本の秋元松代は後に本作を戯曲に改稿し、戯曲が1976年に読売文学賞を受賞。

上のページによると1970/11/08の22:10-23:45(23:40?)に放映され、年が明けて1971/01/23(土) 22:10〜23:40に再放送されたようです。どちらを観たのかは記憶にありません。ともかく、主演の緑魔子さんの妖しい魅力にノックアウトされてしまい、すっかりファンになってしまったのです。

『七人みさき』のシナリオを書いたのがだれかなども全く知りませんでしたし、またその後もタイトル等まですっかり忘れてしまいましたが、1973年5月(?)、寮の先輩に芝居を観にいこうと誘われて、緑魔子さんが出演されるというのでとても期待して新宿文化に観に行ったのが櫻社の『盲導犬』(作:唐十郎、演出:蜷川幸雄)でした。映画館ですから舞台は狭いのに、コインロッカーを使ったスペクタクルに圧倒され、そして、魔子さんの魅力も再確認して、その後、週末になると観に行き合計3回観ました。すごい人気で、長い列ができたのですが、早くから並んで最前列中央付近で魔子さんをみました。行列に並んでいるときに手渡されたチラシの中に状況劇場『ベンガルの虎』のチラシもあって、同じ作者のものなら絶対面白そうと思って観に行きました。『盲導犬』ほどは面白くないだろうと思っていたので、馬鹿なことにすぐには観に行かず千秋楽に観に行ったんです。蜷川の『盲導犬』の演出は本当に完ぺきな美しさを持っていましたが、状況劇場の芝居は全く違って破天荒そのもの、役者が池から水をはじきながら舞台に上がってくる様子に度肝を抜かれてしまい、長い芝居ですが、最後まで本当にワクワクしながら観ました。そして女優・田口いくこさんの美しさに、心臓をギュッと握りつぶされるような気持になりました。今でも、緑魔子さんと田口いくこさんがぼくにとって最高の女優さんです。観終わって、なんでもっと早く観に来なかったのか悔やみましたが、後悔先に立たず。仕方ありません。同じ年の状況劇場の秋の公演『海の牙』は初日からでかけ、何度も通いました。当時、1時から受付で整理券を貰えたのでその少し前からそのあたりをうろうろしました(ぼくは最前列で芝居を観るのが好きなのです)。

通っているうちに、やはり同じように整理券を貰ってもうろうろしているファンの方たちとおしゃべりして何人かと仲良くなりました。そのときに、芝居を観るきっかけを訊かれ「高校の時にNHKのドラマで緑魔子さんのファンになり、『盲導犬』を観に行って、芝居にはまりました」というようなことを言ったのだと思います。そうすると芝居に詳しい人が「それは『七人みさき』ですよ」と教えてくださったんです。その時、秋元松代さんのお名前もきいたのかもしれません。今のようにネットで情報が簡単にみつかる時代ではありませんでしたから、『七人みさき』のことは頭の片隅にしまっておくだけでした。そもそもタイトルを『七人岬』かと思って覚えてしまいました。

今調べると、秋元松代さんは197〇年に『七人みさき』を舞台用の戯曲に書き直され、書籍として1975年に出版されています。さらに、大和書房から1976年に『秋元松代全作品集』全3巻が出版され、『七人みさき』はその第2巻に入りました。このような経緯は全く知らなかったのですが、70年代の終わりごろ、1978年か79年、西荻窪の古書店でこの『秋元松代全作品集』第2巻をみて、ほしいな! と思ったのですが値段が高くて、貧しい大学院生には手が出ませんでした。

結局『秋元松代全作品集』第2巻を入手したのはずっと後の、2007年2月、岡山の丸善のあるビルで古書市をやっていて、そこで遭遇しました。また、この本の中に、シナリオ版の『七人みさき』は雑誌「季刊 辺境」第3号に掲載されていると載っていたのですぐネットで注文し、入手しました(2007年2月)。シナリオの最初の2ページだけ載せておきます。

7misaki-1.jpg

7misaki-2.jpg

なお、秋元さんのシナリオの次には石牟礼道子さんの『苦海浄土』の第2部の連載が載っていました。

戯曲とシナリオは、大筋は一緒ですが、細かい点では色々違っています。ですが、読んでみてともかく驚いたのは、長い年月の間にぼくの頭の中でけっこう間違った記憶ができあがっていたことです。不思議なものですね〜。

おっと、話をもとに戻しましょう。

秋元松代さんの『七人みさき』以外の作品で次に見たのは1979年の2月になります。『近松心中物語』(演出:蜷川幸雄)です。1973年秋の公演を最後に、櫻社が解散、蜷川さんは『ロミオとジュリエット』(1974)で商業演劇の演出を手掛け、正直なところ失望して観に行きませんでした。沢田研二は許せる気がして『唐版 滝の白糸』は観に行きました。蜷川さんの演出の評価が高くなってきたので、ぼちぼち……ということで『ハムレット』(1978)、 『近松心中物語』(1979)、『ノートルダム・ド・パリ』(1979)を続けて観ました。この中で一番美しかったのが『近松心中物語』でした。特に冒頭の部分がとてもよかった!!! 

このときは気合を入れてチケットを買いました。電話ではつながるかどうかわからないので、帝国劇場で発売開始の日に早くから並びました。そのときのチケットがこれです:
19790207chikamatsu.jpg

2月7日・夜の部の「イ27」「イ28」を買うことができました。最前列です。中央は「イ29番」でしたからほとんど真ん中。臨場感があったのだと思います。この2枚のチケットは大事に残しています。

パンフレットを観て気づいたのかどうか覚えていませんが、ともかくこの作品で秋元松代さんと再会。その後4年ちょっと日本にいなかったので次の『元禄港歌 千年の恋の森』は見逃して、のちに再演(1984年8月・9月)を観ました。ただ、あまり内容が記憶に残っていません。

『元禄港歌−千年の恋の森−』(2016年1月の再演@シアターコクーン)
https://www.bilibili.com/video/av4337044/

『近松心中物語』は大ヒットでしたね。でも、やはり心に残るのは『七人みさき』です。なんというか、商業演劇の役者さんの体質があまり好きではないんだと思います。

思い出話が少し長くなってしまいました。今回購入した「劇作家 秋元松代――荒地にひとり火を燃やす」のことにも少しだけ触れておくことにします。まだ読み終わってないのですが……。

岩波書店の紹介ページ:
https://www.iwanami.co.jp/book/b266470.html

秋元さんは若いときからずっと日記を書き続け、膨大な日記を残しています。この本ではそのうちからたくさん引用してくれていて、その部分がとてもいいです。

例えば第一章の冒頭では、秋元さんと俳人の橋本多佳子という方との交友を紹介しています。その部分での日記の引用です:
《先生への敬慕は、ある意味で恋に似ております。私以外の人は、こんな感情を変質的だと軽率に申しますが、私は自分の豊饒さであると、あえて自負いたします。人はこのような心情を経験しないから理解しないだけです。》

熱い想いがほとばしっています。初めて二人が会ったのは秋元さんが39歳、橋本多佳子さんが51歳の時。

秋元さんはピュアで激しい愛情を秘めた人だったのですが、その一方で、非常に孤独な人でした。家で、ひとり酒を飲むことも多かったそうです。ピューリタン的な節度あるつきあいのなかで、激しい思いはしだいに淡々とした気持ちに変わっていきます。

それは、67歳の時に『近松心中物語』で出会った太地喜和子さん(当時36歳)に対しても同様です。最初はレズビアン関係と噂の立つほどでしたが、次第に心の距離ができてしまいます。秋元さん自身は「自分はエゴイストだから他人を心底愛せるはずがない」と思っていたのではないか、と著者(山本健一)は書いています。

その次に取りあげられるのが湯浅芳子さんとの関係です。湯浅芳子さんは中條百合子(のちの宮本百合子)と恋人同士の関係にありましたが、結局、宮本顕治に百合子を奪われてしまった人。ぼくはこの人がとても好きです。初めて出会ったのは秋元さんが39歳、湯浅芳子さんが54歳のとき。次第に仲良くなった二人は頻繁に手紙を交わしますし、一緒に芝居を観たりもしますが、やがていつしか溝ができてしまうのです。

時間的な関係がわかりにくいですが、著者が簡潔にまとめてくれているのでそこを引用してみます。《》は日記からの引用です。
秋元が前述の橋本多佳子と初めて会い、少女のように胸をときめかせたのは五〇年五月だった。湯浅との交流の高まりはその一年後の春から夏にかけてだった。五一年八月一四日には、午前中に湯浅から手紙があり、《先生を一途に好きだと思う》。同じ日の午後には橋本多佳子から来信。《哀しく美しくやや冷たい》。第三章で触れるが、三好十郎の戯曲研究会で知り合った男性会員に、娘のような初々しい恋心を五一年の日記に綴っている。この過剰なる情念こそ、秋元を突き動かし揺さぶるマグマだった。

その「男性会員」とは、秋元の片思いに終わってしまいます。日記では次のように書いています:《彼が私に与えてくれたものは憐憫と誠実だった。女にとって異性の憐憫と誠実は絶望的な救いである。……(略)…… 彼は人間として友人として私を扱い、そっと避けて、遠ざかった。彼の聡明さが私を愚行から救ってくれたが、私は今も恥のために燃える。私はこの恋心を憎みたい。失われた時と、再び望みえない夢と、一度も私をおとずれなかった悦楽とを私は憎むよりほか生きることが出来ないとさえ思う。私の恋心を私は殺さねばならない。そうしなければ私が死滅するだろう》(第三章より)。このあたりまだまだ日記の引用が続きます。ぜひ本でお読みください。

秋元松代さんは、生涯、結婚することはありませんでした。自分でもう書けないとわかるまで、ひたすら作品を創り出すことに情熱を注がれたようです。見習いたいものです。

さて今まで読んだのは第六章までと、第九章「『七人みさき』の天皇制」、第十章「蜷川幸雄との出会い」を読みました。この2章は一気に読めました。他の章を読む前にもう一度、他の作品を読んでおくことにします。
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2018年04月10日

ハッピーエンド

4月7日(土)の午前中、シネマクレール丸の内で『ハッピーエンド』を観ました。

公式サイト
http://longride.jp/happyend/


監督はミヒャエル・ハネケ。
前作『愛、アムール』の感想文はこちら:
http://flim-flam.sblo.jp/article/63843300.html

『愛、アムール』もそうだったのですが、観終わって何となく暗〜い気持ちになってしまう映画でした。どこが『ハッピーエンド』なのでしょう(笑)。だいたい金持ちの映画が面白いわけはないです……というのはあまりにも偏見でしょうか。まあ、貧しいけれどけなげに生きるひとの感動話ばかりみたいわけでは決してないのですが、こんなにばらばらな家庭というのも珍しいです。そういう意味では緊張感にはあふれていたと思います。最初は人物関係がどうなっているのかさっぱりわかりませんでした。この監督さん、えらく省略したり、会話している人物を遠くから撮影して何を話しているのかさっぱりわからなかったり、妙に、凝っています。

少女と老人が心を通わせる美しい映画ではけっしてありませんので、ご注意を。

ちょっとねえ、好きじゃないタイプの映画でした。でも癖になるかも。次の作品も観てしまいそうです。

※[2018.4.12 追記]
そういえば、西部邁さんの入水自殺を助けたとして二人の人が先日逮捕されました。事情はこれから明らかになるんだと思います。普通はそのようなことを頼まれても断ると思うのですが、引き受けるという気持ちはどんなものなのか知りたい気はします。
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禁酒会館「雑花塾ファミリーシリーズ〜その1」

4月6日(金)は岡山禁酒会館マンスリーライブの日でした。
今回は新企画!「雑花塾ファミリーシリーズ〜その1」と題して、武部仁さんとぺんぺん草の2組がゲストでした。

今回のライブはとても楽しみでした。というのは武部さんは鳥取市鹿野町にお住まいの方、ぺんぺん草のお二人(大森隆さん&大森典子さん)は米子に近い大山町の方。ぼくは結婚して新しい戸籍をつくるまでは鳥取県東伯郡東伯町というところが本籍地でした。そこは父親の生まれ育ったところです。母の方も倉吉市出身です。なので、今も鳥取市、倉吉市周辺、浦安周辺、米子等にいとこや親せきがいっぱいです。そんなわけで武部さんやぺんぺん草のおふたりが禁酒会館に来られるのはとても嬉しいことなんです。

さて、いつものように始まるかと思ったら、尾崎さん以外の OZAKI UNIT の皆さんの来られるのが遅くなり、2番目にこられたギターの黒瀬さんも、ギターが渡部さんたちの車にあるということで、演奏が開始できず、若干遅くはじまりましたが、その間、奉還町に6月開店予定の地ビールのお店の宣伝ですとかいろいろあったり、おみやげのお菓子などをいただいたりしながら待てましたので、それはそれで楽しかったです。栃餅、お美味しゅうございました。

少し日がたってしまい、曲目などほとんど頭から消えてしまったので、細かいことは省略します。すみません。武部さんもぺんぺん草のお二人も、地道にコンサート活動をしておられて、自分で歌うだけではなく素晴らしい人たちを招いてフォークを広めるよう努力をしておられるそうです。武部さんが大森さんと出会ったのも、大森さんの世話をされたコンサートに感激されて、それがきっかけで親しくなられたのだそうです。つながるっていうのはいいことですね。

さて、ゲストの演奏は、最初、3人での演奏があり、その後、武部さんがまず歌われました。耕運機で田んぼを耕すときなどいろんなことを考えられるんだそうです。そんなことを歌われた歌など、暮らしの中から生まれてきた歌がやはり心に響きました。

ぺんぺん草の歌では懐かしい思い出を歌うような曲がとても印象的でした。デュオのフォークですからぴったりでした。

最後は全員で楽しく歌いました。フォークライブっぽい雰囲気でよかったです。
また、武部さんと大森典子さんだったと思いますが、鳥取弁を交えて歌われたのが懐かしくてよかったです。鳥取弁の歌をもっともっと聴かせてほしいです。


4/16追記
尾崎さんが facebook にこの日のプログラムを載せておられましたのでコピペしておきます。
========
当日のプログラムは・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
OZAKI UNIT
・小さな館(尾崎ツトム)
・一本の樹(長井三郎・坂庭省悟)
・川は忘れない(鈴木幹夫・尾崎ツトム)
・生きる時代(ムスタキ)

武部 仁+ぺんぺん草
・矢車草(笠木 透・田口正和)
・水田(笠木 透・岩田美樹)

武部 仁 from 鳥取市鹿野町
・田んぼを耕しながら(武部 仁・尾崎ツトム)
・田舎に暮らす(武部 仁・鈴木幹夫)
・白紙の領収書(北川文夫・武部 仁)
・抑止力(佐藤せいごう・武部 仁)with 大森典子
・自分の感受性くらい(茨木のり子・中川五郎)
・たかが歌されど歌(武部 仁・尾崎ツトム)

ぺんぺん草(大森 隆・大森典子)from 大山町
・暮らしのうた(大森 隆)
・焚き火(笠木 透・山本忠生) 
・アザミの花(笠木 透・山本幹子)
・五月の風の中で(笠木 透・田口正和)
・希望(笠木 透・山本幹子)
・錦町ストーリー(大森 隆)
・SONG(大森 隆)

武部仁+ぺんぺん草
・雲は流れる(笠木 透・ウディ ガスリー)
≪アンコール≫ 私の子どもたちへ(笠木 透)
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2018年04月05日

ルイの9番目の人生

4月3日、シネマクレール丸の内で『ルイの9番目の人生』を観ました。

公式サイト
http://louis9.jp


予告編を何度か観て、とても興味をひかれました。

ルイという少年は毎年のように命に係わるような事故にあってきましたが、その9番目というのが絶壁から海に落ちてこん睡状態になるという最悪の事故。医師でさえ死んでしまったと思ったのに、奇跡的に生き返ります。母親は「この子は特別なの」と言うんです。

ルイ以外の登場人物は、ルイの母親ナタリーと父親ピーター、昏睡に関する専門知識をもつパスカル医師、ルイが通っていた精神科医、そしてこの事故の件を担当している女性刑事。

事故は、ルイの9歳の誕生日で、親子3人でピクニックに出かけたときにおきたのですが、そこで何が起きたかは最後近くまで描かれません。父親のピーターは事故のあと行方不明で、警察が捜索中という設定です。

ときどき昏睡中のルイが過去のことや事故のことなどを物語ります(過去の映像も映し出されます)。しかも、ルイの意識が周りの人にメッセージを送ったりするんです。そのあたりが、どちらかというとサスペンスというよりファンタジーっぽい感じです。たとえば予告編で、パスカル医師が病院の床に海の汚れらしきものがべっとりとついているのを調べている光景が出てきます。海の中なら怪物が出てきて病院の中を動き回っているということなんですが、実はこれはパスカル医師が見る夢なんです。でも、その夢はルイも見ている夢なんです。ルイは夢の中でその怪物と話をするんです。……というわけで、超自然的な設定なので、そういう映画なのだと思ってみなくてはいけません。

以下、だんだんネタバレが多くなるかもしれないのでご注意を。


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