2017年08月30日

ニコライ堂、聖橋

8月24日、三鷹市美術ギャラリーで「高松明日香展」を観た後、まだまだ時間があるので、行き先を決めず、中央線の電車に乗りました。そのあとで気づいたのが森茉莉さんのお墓参り。あ〜っ、もう遅い! ということで諦めました。次に思いついたのは三菱一号館美術館。ちょうど「レオナルド×ミケランジェロ展」をやっているのです。タブレットで検索すると入場料は1700円! 高いし、込んでそうなのでやめました。そのとき思い出したのがニコライ聖堂☆ ずっと前から行ってみたかったのです。久世光彦さんの短編小説『姉は血を吐く、妹は火吐く』(文春文庫「怖い絵」)がニコライ堂やイコンなどについての話だったんです。これがとても面白かったんです。さらに、アンクル岩根のギャラリーでイコン作家・白石孝子さんが他の方と二人展をされたときに、白石さんと岡山大学の鐸木道剛さんのトークがあって、そのときにもイコンの話やニコライ聖堂の話を聴いて、なおさら行きたくなったのでした。そのあたりのことはこちらの記事に書いています:

祈り@アンクル岩根のギャラリー
http://flim-flam.sblo.jp/article/170718780.html

若い頃本郷に5年は住んでいて、お茶の水にはよく行ったのに、実はまだ一度も見たことがなかったのです。お茶の水駅では聖橋口から出てニコライ聖堂に向かいました。近くに大きなビルが出来ているのでそれと比べれば小さいですが、とても立派な建物でした。周りからぐるりと撮ってみましたのでご覧ください。

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この季節は毎日午後1時から4時まで拝観できる(料金は300円)とのことなので、入ってみました。ただ、ホールの入り口の大きな柱のところから先は信者でないとはいれません。それでも美しいステンドグラスやイコンを見ることができました。遠くのイコンはもちろん見えませんし、あまりに古いものはほとんど真っ黒になっていて、なにが描いてあるのかよくわからないものもありました。

ベンチがぐるっと並んでいたので、一通り眺めた後、ベンチに腰掛けて、のんびり雰囲気を楽しみました。

十分楽しんだ後、受付のところに絵はがきなどが置いてあったので、いくつか買って帰ろうと眺めていると、受付の女性の方が、「こちらにあるのは山下りんさんのイコンのハガキですよ」と教えてくださいました。誰だっけ……とすぐには思い出せなかったのですが、ロシアに行ってイコンの製作を勉強してきた女性だと聞いて、この方のことをアンクル岩根のギャラリーで聞いたのを思い出しました。途端に興味がわいて彼女のイコンの絵はがきも2枚買いました。受付の女性の方やもうひとり一緒におられた男性の方と少しおしゃべりしていて、岡山から来たとか「ギャラリーでイコン展を見た」とかいうと、おふたりが「白石さんでしょ、友達ですよ〜」とか「岡山大学の鐸木先生は今は東北学院大学ですね〜」とかいう話になって、「白石さんとお話ししたことはないですが、白石さんと鐸木さんのお話は岡山のギャラリーで聞いた」などと答えたりして、少し盛り上がりました。気持ちがよくなって「聖ニコライの歩み」なんていうパンフレットもハガキと一緒に購入してしまいました(帰りの新幹線の中で読みました)。山下りんさんのことも書かれています。

画像検索〜山下りん

とてもいい所なのでお近くにおいでの時はぜひ行ってみてください。冬は早く閉まります。

ニコライ聖堂の公式サイト
http://nikolaido.org

ところで、ニコライ聖堂の塀に沿って、何人もひとが立ったり座ったりしながら、スマホをいじっているんですが、一体、何をしていたんでしょう。一番最初の写真にも何人か写っています。不思議でした。あまりに一生懸命にスマホをいじっておられるので、声をかけて訊くのも気が引けて、訊けませんでした。

さて、このあとはついでだから湯島聖堂に行ってみようと聖橋を渡りました。聖橋と言えば唐十郎の『唐版・風の又三郎』を思い出してしまいます。ヒコーキが聖橋の下をくぐって飛ぶシーンがあったような気がして戯曲をざっと眺めたのですが、二幕が劇中劇の『ベニスの商人』で始まった後、舞台に残された一ポンドの肉の塊(エリカの死んだ恋人の肉?)に向かってしゃべるエリカのセリフの中にこういうのがあるんです。

ね、覚えてる? この飛行訓練が終わったら、俺は東京に出て一人前のパイロットになり、お茶の水の陸橋をくぐりぬけて見せようかなどとおっしゃいましたわね。たんとおやりなさいとわたしは言いました。たんとたんとたんとたんと。それで、お役所に怒られて免許証を取りあげられ、今度は地べたを這ってあたしのところにお帰りって。それでね、あたし、今日、お茶の水に行ってまいりました。陸橋の冷たい石に顎のせて暗い運河を見下ろし、あんたのために手を叩いたのよ。だって耳を澄ませば西の空からあんたの乗ったヒコーキが雲つきぬけてこちらに向かって飛んでくる。バスは止まり、中央線はエンコして、タクシーとタクシーはぶつかり、新聞売りは二〇円も受けとらず、今まさにお茶の水の陸橋と河すれすれに飛んでゆくあんたのヒコーキを見て大口あけてよだれタラタラ。それでお花も投げました。とても高価なお花をね。それがプロペラにはじき飛ばされ、東京の空に舞うと、あんたとわたしのフライング・ソース! しばらくすると夕方になりました。しばらくすると夜になりました。陸橋に乗せた顎が冷えてシャレコーベになりました。そしたら、なにもかもつまらなくなりました。何もかもうたかたに。夢などはなく、あるものはあたしに抱かれるのを待っている一ポンドの肉ばかり。あたしがこれからかけるのは、このあんたの肉。


ああ、素晴らしいセリフじゃないですか! 飛行機が飛ぶシーンを舞台上で現実には見ていなくても、何十年も心の中に飛行機の姿が残っています。

参考:新宿梁山泊(ポスター画像あり〜聖橋の絵です)
http://s-ryo.sakura.ne.jp/ex/kazemata/kazemata.html

で、この芝居の第三幕はお茶の水が舞台。ニコライ堂ということばも何度も出てきます。嬉しいです。

ちなみにこの芝居はギリシャ神話のオルフェの話を下敷きにしているんですが、オルフェというとイザナギ・イザナミの話を思い出しますよね。お茶の水にいたときはそのことを考えていたわけではないのですが、実はこのあとの月曜日に、イザナギが黄泉の国から逃げ出した場所にいく運命にあったんです。そのはなしはまたあとで書きます。乞うご期待☆

さて聖橋ですが。今回は工事中でシートに隠されていて姿を見ることが出来ませんでした。残念。下の部分だけ撮ってきました。

解説版
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工事の解説
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橋の下の通路
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聖橋
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聖橋の下の道路からちらりと見えるニコライ堂
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※ 湯島聖堂、秋葉原の橋に続きます。
posted by dunno at 23:23| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
聖橋および湯島聖堂を舞台にした「檸檬」という歌があるのですね。さだまさしさんが唄っています。

エムズの片割れさんのブログで紹介してありました。
『さだまさし「檸檬」のオブリガート(副旋律)の妙・・』
http://emuzu-2.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_e17a.html

たしかに聞いたことがある曲ですが歌詞に関しては全く記憶がありません。なかなかいい曲です。

ニコライ堂が出てこないのはちょっと残念。少し橋から距離があるせいでしょうか。
Posted by dunno at 2018年01月22日 13:15
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