2018年04月24日

港町

4月22日、シネマクレールで『港町』を観ました。想田和弘監督の観察映画第7弾だそうです。

公式サイト
http://minatomachi-film.com


『牡蠣工場』に続いて、牛窓が舞台。70代半ばの漁師・ワイさん、いつも元気におしゃべりしまくるクミさん、そのほかたくさんの方々の生活が撮られています。その中でやはりクミさんの印象が一番強かったです。
ワイさんとの仲良しで、よくしゃべっているのに、ワイさんがいないところではけっこうぼろくそに言ったりするんです。またやはり仲良くしておられる子どもが8人という女性のことも、目の前で子どもとはうまくいってないとか平気でしゃべります。そんなときにはいつもはやさしそうな女性も、けっこううんざりしたような表情です。

みんなさみしいんですね〜。うちの母も父が亡くなってから、少しずつ認知症の症状が重くなっていきましたが、ぼくたちがテレビをみていても、話しかけてきて、ともかく喋りまくっていた時期がありました。テレビを見ているときでなくても、他の話をしたり、音楽を聴いたりしていても、ともかく自分の話をしゃべり始めて、延々と続けるんです。もうこちらも他のことをするのはあきらめて、適当に相槌をうったりしていました。ひとりぐらしが出来なくなって、最初はサ高住、それも無理になって、次はグループホーム……と移りましたが、それほど弱っていなかった頃はけっこう息子の自慢話とかしゃべっていたようです(とほほ……)。でも次第に静かな人になっていき、皆さんにも可愛がられるようになりました。

大衆演劇を観に来る年配の方々の中にも、やはりさみしそうな方もおられます。新開地劇場でいつも最前列通路ぎわを予約していた女性も、並ばなくてもいいのに、朝早くから列に並んで他の方々とおしゃべりしておられました。家族とこられたのは見たことがありませんでした。いつも一人で観に来ておられました。この方の姿をみかけなくなってからもう何年もたちました。他にも高齢の方はだんだんと消えていかれます。施設にでも入られたのでしょうか。

そんなこんなを思いながら映画を観ました。

移住してきた若い人も出てきたりしますが、基本的に年寄りばかりの町になっています。猫も多いです。笑えるシーンも多いです。網をしかけて漁をするところも延々と映っていましたが、漁をするってこんなに大変なことなのか(特に網から魚をはずすところ)!とすごくよくわかりました。網にかかった魚が死なないように、巻き取りながらいろんなバケツなどに網にかかったまま入れていくんです。そして、海の水をすくってかけてやります。それが済んでから、ひとつひとつ外してゆくんです。また、魚屋さんの朝の仕事も大変ですね。まずせりに行って魚を仕入れます。店に持って帰った魚を夫婦でさばいていきます。これも本当に大変な仕事。そして、パックに入れて重さをはかり値段を記入。買いに来れない人のために軽トラックで販売にいくんです。でも、最近は魚も取れなくなったり(なまこは潜水で撮る人たちが石の下に隠れているのまでみなとってしまい、もうそのあたりでは絶滅してしまったそうですし、温暖化の影響なのか、理由はわかりませんが、それまでとれていたさかながどんどんとれなくなったりするんだそうです)、スーパーで冷凍や冷蔵の魚を買う人も増えてしまっているそうです。

お墓もどんどんよそに移っていくんだとか……。自分の家のではない墓石が上から落ちてきたり、知らないうちに置いてあったり……。不思議なことも起こるものです。

20年後のこの町はどうなっているんでしょう。

長い映画ですが、面白く観ることができました。おススメです。

※『精神』の山本先生の姿も観れます。少し太られたみたいです。

ところで『港町』上映直前に、新作・観察映画第8弾『ザ・ビッグハウス』の予告編が上映されました。

なんとアナーバーのミシガン大学のアメフット・スタジアムがテーマのようです。『港町』のようなずしんとくる映画ではなさそうですが、ミシガン大学はぼくが博士号をとって最初に就職した学校です。スポーツにはほとんど関心がないのでこのスタジアムには一度も行ってませんが、なんか観てみたいです。楽しみです。
posted by dunno at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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