2018年06月11日

タクシー運転手 約束は海を越えて

6月9日(土)の夜、岡山メルパで『タクシー運転手 約束は海を越えて』を観ました。

公式サイト
http://klockworx-asia.com/taxi-driver/


予告にあるとおり1980年5月、韓国の光州(クァンジュ)でおきた「光州事件/光州民主化運動」を描いた映画です。実在するドイツ人記者が封鎖されている(電話も外部と繋がらなかった!)光州市にソウルからタクシーで潜り込み取材を行ったときのことを元にしています。そのときのタクシー運転手は彼に偽名を教えたようで、その運転手が誰だったのかはわからないままだったそうですが、ソン・ガンホがそのタクシー運転手を見事に演じています。なにしろおかしいんです。最初は完全にコメディのような感じで始まります。

ソウルのタクシーってけっこう乱暴な運転で有名でした。今はどうかな? ぼくがはじめてソウルに行ったのは1991年でしたが、その時、僕を乗せて走っていたSさんの車と強引な車線変更をしてきたタクシーとの接触事故がおきたんですが、タクシー運転手はどなりまくってそのままどっかへ言ってしまいました。宋さんもあっけにとられていました。ソウルというとその事故のことを思い出してしまいます。

さて、個人タクシー運転手・マンソプは金欠病でもう何ヶ月も家賃をためているので、ドイツ人記者ピーターを光州まで送って、その後連れ戻る仕事を他のタクシーから強引に奪ってしまいます。このときの調子の良さがいかにもソン・ガンホ。うまい人です。

光州で二人は病院に向かう学生たちの集団と出会います。彼らの取材をするピーターを残してソウルに戻ろうとするマンソプですが、道で困っていたお年寄りを見捨てておけず、その人の息子のいるという病院まで連れて行く羽目になり、病院で学生たちやピーター、そして何人かのタクシー運転手たちと知り合います。

はじめはそんなに深刻な状況とも思えなかったのですが、取材をしているうちに、集まった群衆に対して軍隊の攻撃が始まります。そして、その様子をカメラで撮影するピーターの姿は私服の軍人たちに目をつけられてしまうのでした。危険を感じたマンソプは、家で一人で待っている娘が心配で、朝早い内に、ピーターを置いてソウルに帰ろうとしますが、光州から無事に外に出たあとにはいった食堂で、光州で大変なことが起きているという噂話を耳にし、悩んだ末、また光州に戻ります。いい男ですね〜。そして、軍隊の弾圧は一生激しくなっていきます。

国民に向かって銃撃するシーンは本当に恐ろしいです。この映画では民主化運動をする立場からの映像しかありませんでしたが、国民に銃を向ける兵士の立場からの映画もあるんでしょうか……辛いものがあるでしょうね。ネタバレになるからあんまり書けないですけれど、実は、兵士の気持ちがわかる場面が後の方で出てくるんですよ……。ぐっときました。

何人の人が犠牲になったのかはあまりはっきりしないようですが150人ほどは確実のようです(Wikipediaによる)。そして市民は武器庫を襲撃し、武器を持って闘い、一時は軍隊を町の外に追い出したんだそうです。たいしたもんですね。

光州の人たちとのつながりもよかったけれど、大家さん夫婦もいい人たちでした。嫁さんの口はきついけど。

いい映画でした。オススメです。

※町からの出入りが比較的しやすかったときに、撮影したフィルムをタクシー運転手が持ち出しておけばより確実に外に情報を伝えられたのに……と思いましたが、そういうわけには行かなかったのでしょうか。
posted by dunno at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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