2018年06月30日

焼肉ドラゴン

6月24日(日)、イオンシネマ岡山で『焼肉ドラゴン』を観てきました。ネタバレがあります。ですが、見始めるとすぐに想像のつく終わり方ですので、それを書いてしまっています。ご了承ください。

公式サイト
http://yakinikudragon.com


原作・脚本・監督の鄭義信(チョン・ウィシン)は新宿梁山泊の座付き作家でしたので「千年の孤独」(1999年)なんかは新宿で観ました。その後別れてしまって残念でしたが、NHKの劇場中継で椿組・03花園神社野外劇 「20世紀少年少女唱歌集」(作・演出:鄭義信) を観てとても感動しました。今回の「焼肉ドラゴン」はとても評判のよかった芝居で、雑誌「セリフの時代」の2008年夏号/vol.48に戯曲が掲載されていたのを買ったのですが、読まないうちに処分してしまって(雑誌って溜まってしまうので、捨てちゃうじゃないですか……)もったいないことをして、悔やんでいましたところ、数ヶ月前に丸善で芝居の棚を観ていたら『在日三部作』として本が出ていたので早速購入。映画を観るまで我慢して、何も予備知識なく映画を観ました。

伊丹空港脇の国有地に終戦前から住み着いた在日朝鮮人家族の物語です。時期は昭和44年〜45年(大阪万博の年)。ぼくが高校1,2年の頃ですね。万博には高2の修学旅行で行きましたよ。何しろ国有地を不法占拠しているわけですから、自宅でやっている焼肉屋には水道は引けず、少しはずれたところになんとか共同水道があって、それを皆で使っているんです。

おっと、話を進めすぎました。映画の冒頭なんですが、高校生・時生のモノローグから始まります。彼の回想といったかんじのモノローグ……なのにそれを語る声は高校生のまま……これを聞いた段階で、ぼくは「あ〜、この子は若くして死んでしまうんだな……と想像がついてしまい、それだけで辛い気持ちでいっぱいになってしまいました。

時生の上には3人の姉妹がいます(日本人が演じています)。姉妹の恋愛・結婚の話、立ち退きの話、そして時生のうけるいじめの話などが、泣き笑いで描かれます。両親は在日の俳優さんでしょうか。この二人がよかったです。特に父親はふだんはとっても穏やかな人(対する?母親はけっこう過激、ゴジラのよう・笑)。その彼が自分の気持ちをはき出すシーンでは名来てしまいました。
そして、みんなに色んな思いはあるんだけれど、ゲスなところがなくて、それぞれの登場人物に気持ちをよせることができました。

日本人も登場していて、彼らも普通に主人公たちと混ざっていて、気持ちよかったですね……。

やっぱり辛いのは、時生がいじめに苦しんでいるのに、父親が無理に私立のいい学校に通わせようとしたところ、そして、長女とその婚約者が北朝鮮へ行ってしまうところ(『キューポラのある町』の時代よりずっとあとですが、まだそういうことをしていたんですね)。

最終的に、立ち退きせざるを得なくなるのですが、その時には、3人の娘はそれぞれ連れ合いをみつけて、一人は北へ、一人は南へ、ひとりは日本人と一緒に別の町へと別れていってしまいます。

でもそのわかれのシーンはとっても美しいです。

長女を演じている真木よう子もよかったです。
オススメです。

戯曲の方ですが、最初の『たとえば野に咲く花のように』と『焼肉ドラゴン』を読みました。もうひとつ『パーマ屋スミレ』はこれからですが、こちらもオススメです。戯曲ってあまり好きじゃない方もあるかもしれませんが、ゆっくり、じっくり、舞台を想像しながら読むと面白いですよ。
『焼肉ドラゴン』だけなら文庫やkindle版(たった520円!)があるようです。
posted by dunno at 17:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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