2018年11月22日

岡山映画祭『まなぶ 通信制中学 60年の空白を超えて』

11月10日(土)、岡山県天神山文化プラザで『まなぶ 通信制中学 60年の空白を超えて』(監督・撮影・編集・語り:太田直子)を観ました。
あまり予備知識なしに観たのですが、これがとてもいい映画でした。

公式サイト
http://film-manabu.com


この映画は、太田監督が千代田区立神田一橋中学校の中学校通信教育課程で学ぶ人たちを5年間(2009年〜2014年)にわたって撮り続けて作られたドキュメンタリーです。登場人物は6人の方々。一番印象に残ったのは、最初の頃から出ておられた峯永さん。予告編で「学校に行くと……青春になっちゃうの」と言っておられるあの女性です。最初とてもお元気だったのですが、突然、学校に来なくなってしまいました。あとからわかったのですが夫の介護に疲れてウツになってしまったのでした。夫は半身不随で、妻に常にそばにいてほしいのです。一年近く休んだ後、一日だけ登校しましたがまた来れなくなってしまいます。それが、元同級生の卒業式にお祝いにやってこられました。元気になられたよう……。4月からもう一人の生徒・宮城さんと一緒に二年生の勉強を始めます。

峯永さんは昭和16年うまれ。開業医の父親は軍医として招集され、広島で被ばくして戦死。残された家族の生活は苦しく、峯永さんは中学一年のときに、蕎麦屋に奉公に出て、子守だとかご飯炊きをするようになります。仕事が忙しく中学に通えず、勉強がいやになり結局卒業しないままになってしまいました。

他の人も、それぞれの人生があり、色んな事情で中学校を終えることが出来なかった人たちです。

例えば芳賀さんは難聴で、学校でも授業が聞き取れず家に引きこもって生活を続けていました。読み書きもできません。それが皆に励まされ、辞書も使えるようになり、作文を書けるようになっていきます。

さまざまな人生を見せて貰いました。みんな愛おしいひとたちばかり。それに先生方もいいんです。こういう教育の専門家というわけではなくて、普通にこの中学校に赴任してきて、たまたま担当された人ばかり。よくやっておられると思いました。

こういう公立の通信制中学校は以前はたくさんあったそうですが、今はここと、大阪にもう一校のふたつだけ。不登校が増えている今、こういう中学校は求められているそうです。上の2校の他、夜間中学というものもあって、全国に公立のものが30ほどあるそうですが、岡山にはありません。それで「岡山に夜間中学をつくる会」という団体があって、県下初の自主夜間中学が運営され(場所は岡山国際交流センター)、最初は代表の城之内さんがひとりで授業を受け持っておられたそうです。今はスタッフも40人以上となり、生徒数も30人を超えているとのこと。興味のある方は公式サイトをどうぞご覧ください。
https://oka-yachu.jimdo.com
posted by dunno at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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