2018年11月23日

山本じん+未生響 ギャラリー・トーク

今日は、高松で島津亜矢さんのコンサートがありました。行きたかったのですが、実はこの日、山本じんさんと詩人の未生響さんのトークが神戸のギャラリーロイユで行われるということで、滅多にみれないじんさんのトークの方を選びました。ギャラリーロイユでは11月10日から11月30日まで「MATURA(ナトゥーラ) 山本じん銀筆画新作展+詩・未生響」が開催されているんです。

https://www.g-loeil.com
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山本じんさんと未生響さんのトークを聴くのはこれが2度目。
3年前の11月大阪で聴いたんです。そのときのことはこちらの記事に書いています:
「人形シンポシオン Midow展 2015」
http://flim-flam.sblo.jp/article/168401627.html

山本じんさんは広島にアトリエを移され、落ち着くまでずいぶんかかったようですが、今年になっていよいよ精力的に作品を創られ、今回の展覧会になったのです。5年前に奥様を亡くされましたが、色んな人のささえもあって、元気になられたのはとても嬉しいです。今回は「自然」がテーマ。トークはまず「自然とはなにか」、「あるがままとは何か」……というあたりから始まりました。結局のところ、何が自然なのか……というのはよくわかりませんでした。というのは、例えば「纏足」(じんさんは纏足のシリーズをずいぶん描いておられます)というのは女性を囚われの身にとじこめておくための非常に人為的なものなのですが、別の見方をすると、足を小さくすればするほど、その女性の地位は上がり、力を持つようになる、……というのですが、ぴんときません。ただ、制限をうけるということがなにかを深くするということはあるのかな……などと思いながら聴いていました。関連して、作品を創る時の作為についても話をされました。作品を売らないと生きてはいけないので、売れるように作ろうとも考えるそうです。ただ、そう思っても、作品が描けないそうです。不思議なものですね。

話は銀筆画のほうに移っていき、銀筆の実物ももってきておられて、見ることができました。まわりを皮で包んで、掴みやすくしてありました。じんさんが銀筆画を始められた頃は、そういうものを売っているところがなくて、銀の指輪をつくるところに依頼して作って貰ったんだそうです。純銀では指輪になるほど固くならないので、指輪は他のものを混ぜて固くするんだそうです。銀筆には純度が高いものが必要だそうです。今では、伊東屋などでも売るようになっているとのこと。京都でも買えるそうです。
また銀筆以外にも、金筆とか銅筆というのもあったんだそうです。ただ、金筆でかくと色が薄すぎるし、銅では錆びて緑青がでるのでよくないんだとか。

銀筆でも、紙には描きにくいそうです。それで羊皮紙をメインで使うのですが、これもなかなか取り扱いが難しい。皮というと柔らかいものを想像するが、乾かして固くなったものを使うそうです。それでも湿気があると柔らかくなって伸びてしまうため、作品としてできたものも、湿度の高い部屋におくとぼごぼごになってしまいます。そういうものはまた直せばなんとかなるそうです。のびるのを防ぐためには強い力でひっぱっておくことが重要になります。それで、作品の縁に間隔をあまりあけずに釘を打つことが重要ですが、それでも湿気があれば伸びるので、今回の作品は裏の台に接着剤をつけて貼り付けてあるそうです。

また、今回、詩を提供してくださった未生さんの詩作に関する話も伺うことができました。一番最初に作った詩集は、まず色んな言葉を紙切れに書き、そこからランダムに紙切れを取り出して、それを並べて作った「詩」を並べて作られたそうです。これが不思議にうまくいって、自身の最高作ともいえるものが出来たそうで、それをまたやろうとしてもうまくいかないから試行錯誤していると話しておられました。う〜む、前衛的ですね。他にも、回文を使ってみたこともあるんだそうです。たまに面白いものが出来るんだとか。

そういえば、入る時に、お二人からのおみやげ袋と言うのを貰ったのですが、未生さんからのおみやげはなんと俳句をまとめたファザーランド・ハイキングという小さな本でした。

さて、待ちに待っていた新作ですが、いくつかツボにはまるものがありました。
今なら、ギャラリーロイユのサイトで観れますのでご覧ください。時間が経つと archives の方に移ると思います。
https://www.g-loeil.com/exhibitions
裸の女性が立っていて、その足に子どもが抱きついている絵があるでしょう? タイトルは「kizuna」です。
あ、twitterでも画像を載せておられるのでそれをここに埋め込みましょう:




この絵が特に気に入りました。じんさんは、「この絵は本当に不思議な絵なんです」とおっしゃっていました。女性は、「像」のようにも見え、「生きている人間」のようにも見えるように描いてみたそうです。ぼくは最初、人だと思って見たのですが、そういわれると確かに「像」にも見えます。

他にもいい絵があって、たしか「Flow I」だったかと思いますが、ツバメが飛んでいる絵も気に入りました。飛んでいる下には水が(海のようにも見えましたが、タイトルがFlowですから川なのでしょうか)見えていて、それが心をざわざわさせてます。欲しいですが、ちょっとというか全く無理。

今回展示されている新作の中から11作品、そして少し古いものから1作品が選ばれて複製シート12枚がおさめられたものを購入しました。「kizuna」も入っていました。残念ながら Flow I は入っていませんでした。

30日までやっています。神戸に行かれることがあればぜひお寄りください。明日(24日)もじんさんが在廊されるそうです。

※トークの時、ずっとヘンリク・グレツキというポーランドの作曲家の交響曲第3番が流れていました。じんさんがこの3年間毎日聴いておられる曲だそうです。寝る時も小さな音量で流すのだとか。グレツキはアウシュビッツ近くで生まれた人で、この曲は鎮魂の曲だそうです。帰りの新幹線の中でamazonで探して注文してしまいました。十数年前かなりヒットしたらしいです。知りませんでした。
タグ:山本じん
posted by dunno at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | アート
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