2019年03月16日

トレジャーハンター・クミコ

もうずっと前(去年の暮れ)に購入したDVDですが、昨夜やっと観ることができました。『トレジャーハンター・クミコ/Kumiko, the treadure hunter』という映画です。どこかでDVDの紹介があったのを読んだんだと思いますが、何処で読んだのか、どんなことが書いてあったのかさっぱり憶えていません。amazonで注文したのが2018年11月1日なんですけど、一体どんなレビューだったのかとても気になります。

公式サイト
https://www.sonypictures.jp/he/2319886


劇場公開はされていなくて、2017年4月26日にDVDが発売されたそうです。

Imdbの中のページ
https://www.imdb.com/title/tt3263614/?ref_=nv_sr_1

冒頭部分で、画面と音声が乱れて、DVDのエラーかと思いましたが、実はそれは『ファーゴ』という映画を劣化したビデオテープをブラウン管テレビで映し出しているものだということが後でわかります。

ストーリーは公式サイトから:
一つの「映画」が彼女の人生を狂わせる
アメリカの“ある街”に埋められたと言われる大金・・・彼女はそれを信じ旅に出た

東京で働く29歳のOL・クミコ(菊地凛子)は仕事にやる気がなく恋人もおらず鬱屈とした生活を送っている。ある時、海辺の洞窟から映画『ファーゴ』のVHSを見つける。実話だと信じ、雪原に大金が埋まっている場所を特定しようとしていた。ある日、会社の社長・サカガミ(勝部演之)から退職を勧められ、追い打ちをかけるように若い美人の新入社員・ナカザキ(河北麻友子)を紹介される。社長のお遣いのため、会社のクレジットカードを手に入れたクミコは、『ファーゴ』の舞台である米・ノースダコタ州へ大金を探しに向かうが・・・。

「海辺の洞窟から映画『ファーゴ』のVHSを見つける」とあっさり書いてあるんですけれど、そもそもそこから怪しいんです。クミコは宝の地図らしきものを持っていて、その地図を見て、洞窟を見つけその中に埋められているビデオテープを発見するんです。これって現実? 妄想? クミコの日常生活も描かれていますが、完全に壊れているんです。全く無表情。母親からは携帯に頻繁に電話がかかってきて、恋人もいないのならうちに帰ってこいと言われるのですが、アパートでペットのうさぎ(ブンゾー)と暮らしています。狭い部屋にモノだらけで居場所もないぐらい。『ファーゴ』を観ていないときでも、彼女の周りにはビデオテープの雑音が漂うんです。非常に耳障り(^^;

何度も繰り返し『ファーゴ』を観ているうちにテープがプレーヤーの中でからまってしまいます。仕方なく、『ファーゴ』のDVDとDVDプレーヤーを買います。貧乏そうなので、これは痛い出費に違いありません。

上でも書いてあるように、映画の中で雪の中に埋められる大金の入った鞄を現実のものと思い込み、クミコはその場所を映した場面を、そのまま刺繍で布の上にコピーします。映画の1シーンで、そんなものを写し取っても場所を特定するのに役立つわけもありませんし、そもそもこれは映画なのですから、本当にお金が埋められているわけではないんです。だけど、彼女にはそれがわからない……。おっと、書き忘れていますが、クミコは東京で働くOLです。なので前半は全部、会話が日本語です。図書館でアメリカの地図を盗もうとするエピソードもあったりします。

この時点で彼女には友だちは一切いません。しかし以前はそんな風ではなかったことは、路上でばったりであった昔の友人の様子を見てもわかります。なぜ彼女が変わってしまったのか……精神を病んでしまったのか……そこは全く描かれていません。実際、仕事に関して、ひどいことをするんです。エラい人にお茶を入れるときに、その中に自分の唾を垂らしたり、昔の友だちに「トイレに行く間子どもを観ていてね」と頼まれたのに子どもを置き去りにして逃げてしまったり、クリーニングの済んだエライ人のスーツをゴミ箱に突っ込んで、預かったいた会社のクレジットカードを持って、アメリカに宝探しにいってしまったり等々……。

大金が埋められていると彼女が信じるファーゴという場所は、とても寒い場所。モーテルのキルトのふとん(もしくはベッドカバー)を自分のコートにしたり、親切な警官に冬用の靴やジャケットを買って貰ったりしながら、少しずつ近づいていきます。

彼女が怒り以外の自分の感情を表すところは2回ぐらいしかなかったように思います。一回目は飼っていたペットのブンゾーを置き去りにするシーン。本当に辛そうでした。ぼくもこのシーンでは泣きそうになりました。もう一回はラスト。幻想(妄想)の中でとってもいい顔になります。

実はこの映画はある日本人女性の事件が元になっています。

「米国では有名な、亡き日本人女性の都市伝説 菊地凛子主演の映画化で好評価 その内容とは?」
https://newsphere.jp/entertainment/20140202-1/
2001年、コニシタカコさんという東京在住の女性が、前述の映画の舞台の街、ノース・ダコタ州ファーゴから60キロ東に位置する地点で凍死しているのが発見された。この事件が都市伝説と化したきっかけは、事件関係者による証言。タカコさんの遺体が発見される6日前にタカコさんを保護したという地元警官が、タカコさんは映画『ファーゴ』の一場面にて同映画の主役が地面に埋めた、ブリーフケースいっぱいのお金を探していた、と証言したことから、このニュースは爆発的に広まった。


上の記事によると、「『ファーゴ』は虚構と現実が入り混じる様をテーマにした映画である。同映画開始時に流れる「これは実話である」というテロップは、映画のフィクション性を皮肉ったものとして有名」だそうです。で、その "This is a true story." で始まるテロップが、『トレジャーハンター・クミコ』の冒頭で映されるんです。一瞬ぎょっとしましたが、すぐ「This is a true story.」のところが単語が拡大されて映るので、ああ、これはDVDが壊れているんではないんだな……とわかるようになっています。監督たちがこの映画を作ったときには、上の話はあくまでも都市伝説だとわかっていて、あえて、冒頭に "This is a true story." を持ってきたところが面白いです。

冒頭だけ観直してみて、テロップの次に海岸での宝探しの場面で気づいたことがあります。手に持っていた宝の地図は、やはり布に彼女が刺繍したモノでした。その地図はすごくおおざっぱなモノなので、これで場所が特定できるとはとても思えません。バス停も停留所の名前はなくてただ「バス停」と書いてあるだけ。浜辺も「黒い砂の浜」みたいな書き方でした。ヘンだなと思ったのは、最初海を右にして歩いていたのに、次のシーンでは海を左にして歩いていました。行ったり来たりしたんでしょうか。ボクの想像では彼女は自分でテープを埋めて、その場所の地図を書き、それを見て探し出していたんじゃないかという気もします。

ところで、アパートには分厚いノートかルーズリーフのようなものがあって、その中にはメモがぎっしり。一体何が書かれていたんでしょう。

友だちも作らず、一人で部屋に閉じこもり、ノートに妄想を書き込んでいたんでしょうか。悲しすぎます。

もう一度全部観直してもいいかな。不思議な魅力のある映画でした。

※「宝探し」で思い出しましたが、子どものころ妹と宝探しゲームをやっていました。どちらかが宝を隠す役で、色んなところにヒントを隠しておいて、もう一方がそれをたどって宝を見つけるんです。宝探しって、楽しいですよね。
posted by dunno at 12:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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