2013年12月24日

天王寺七坂めぐり

11月後半から12月は、山口で一人暮らしの母の骨折や自分の出張などで忙しく全然更新できませんでした。ぼちぼち思い出しながら書く予定ですが、とりあえず昨日の大阪旅行のことを書いておくことにします。

今回のメインの目的は大阪・中崎町の「アラビク」で開催中の「北見隆・建石修志・山本じん三人展『星蝕の夜』」にいくことでした。せっかく大阪に行くのなら、先日『幻坂』(有栖川有栖)を読んで以来ぜひ行きたかった「天王寺七坂」に行ってみようと思いました。また『銀二貫』に出てくる天満橋(もちろん昔の橋ではありませんが……)や天満宮にも行ってみたいと思いました。

そこで、まず時間のかかりそうな七坂めぐりをすることにし、そのあと、北に上って天満橋など、そのあとさらに北に上がって「アラビク」……という計画を立てました。

というわけで、まず「天王寺七坂」めぐりの記録です。

新大阪から御堂筋線に乗って(Suicaが使えるようになっていました☆)動物園前で下車。もちろん天王寺まで乗ってもよかったのですが、新世界を通りたかったのです。某ポルノ館では『百合子、ダスヴィダーニヤ』の脚本を担当された山崎邦紀さんの『SEX実験室 あえぐ熟巨乳』を上映中でした。浪速クラブの前にはお客さんが開場を待っておられました。入ってみたいけれど、今日はパスです。

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新世界に来るといつも映画『ココニイルコト』に出てきた古道具屋さんって一体どこになるんだろう……と思うのですが、手がかりなし。残念です。

動物園に沿って北進、ついで東進。おおおっ、見えてきました。横断歩道橋にはっきり書かれた「逢坂」の文字☆ (10:35頃)

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天王寺七坂は上町台地とその西の下寺町(したでらまち)を結ぶ坂の群れです。7千年前までは海がここまで来ており、波の浸食によって崖ができたのだそうです。坂自体は他にもあるのですが、その中で(北から順に)

(1) 真言坂(しんごんざか)
(2) 源聖寺坂(げんしょうじざか)
(3) 口縄坂(くちなわざか)
(4) 愛染坂(あいぜんざか)
(5) 清水坂(きよみずざか)
(6) 天神坂(てんじんざか)
(7) 逢坂(おうさか)

が選ばれて「七坂」と呼ばれています。あとで出てくる家隆塚のところの案内板がわかりやすにので、まずこれをご覧下さい:

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この画像の右端に略地図があるので、それをだいたい頭に入れておくとわかりやすいです。
ネット上にたくさん紹介サイトがあります。

○上六うえいくネット特集:天王寺七坂スタンプラリー
http://www.ueroku-wake.net/special/nanasaka/

※スタンプラリーの用紙(100円)には地図もついていてとても便利でした。

○上六うえいくネットの解説ビデオ:
天王寺七坂&七名水 周辺イラストマップ 歩いてみました


それから、行ってみる前にぜひ有栖川有栖さんの『幻坂』を読んでおかれることをおすすめします。

http://flim-flam.sblo.jp/article/78571992.html

前置きが長くなりましたが、七坂めぐりに戻ります。

上の写真の交差点が逢坂の一番下にあたります。東に進むとゆるやかな登り坂になっていました。坂の途中で一心寺の北門があるのでそちらから入ってしまいましたが、そこから入らずもっと坂を上って仁王門から入った方がインパクトがあると思います。これです:

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なんと現代アートです。う〜む、こんなお寺、初めて観ました。一心寺に来たのはここでスタンプラリーの用紙を買うため。仁王門を入ってすぐ右の建物の中で販売しています。販売していた女性の話では、最近NHK(大阪)の番組で真鍋かをりさんが一心寺や七坂を紹介されて人気があるとのことでした(実際、スタンプラリーの用紙をもって散策するご家族に遭遇しました)。

NHKの過去記事(無くなるかも……)
http://www.nhk.or.jp/osaka/program/eetoko/past/20131025.html

http://tvtopic.goo.ne.jp/kansai/program/info/220997/index.html
お寺工夫してまっせ〜眞鍋かをり&酒井敏也 大阪 ひと味違うお寺旅〜 (バラエティ/情報)

眞鍋と酒井の2人は大阪・天王寺区にユニークな門の寺があると聞き、「一心寺 」へと訪れる。ここでは徳川家康八男、仙千代が境内の墓地に葬られている。門は元々大阪城の玉造門を移設したものだったが、昭和20年の大阪大空襲で消失してしまった。戦後この場所は法律の問題で木造のものを再建するのが難しく、平成9年に現在(の)門が建てられた。
寺の長老・高口さんがこの門の設計者で、格闘技の選手の様な仁王像を作り上げた。この寺には他にも「女神のレリーフ」などがあり、一行は像に触れてお参りをした。
「一心寺」は、法然上人が夕日を見ながら念仏を唱えて極楽往生を願う日想観という修行をした場所と言われている。大阪のお寺について、高口さんは「庶民的そのものなんです」とコメントした。
大阪・天王寺区には25もの寺が並ぶ場所があるが、この場所は豊臣秀吉が大阪城を築く際、大阪各地の寺を移転させて防壁代わりにしたという説がある。当時の寺の人はスタンプラリーの様な企画をするなど、寺に人が来るように工夫をしていたという。現代にもスタンプラリーがあり、天王寺にある7つの坂を巡りながら生國魂神社などの寺を訪れる。そのうちの齢延寺ではリモコンで鐘を鳴らす装置などがあると紹介された。(以下略)


さて一心寺というお寺自体はしらなかったのですが、「一心寺シアター」という名前は劇団花吹雪の公演があったところなので知っていました。地図をみると一心寺のすぐそば……ということでそちらも見てきました。

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とてもきれいな建物です。今度花吹雪がここでやるのなら見に来てもいいかも。

さて、今度は逢坂を下りました。

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通天閣も見えています。逢坂は大きい道だし、傾斜もゆるやかなので特に趣があるといったもんではありませんでした。

続いて安居神社(ここで真田幸村が討ち死にしたそうです)を見て、一度下まで降りてから天神坂を歩きました。

天神坂:きれいな石畳の坂です
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天神坂を登り切ったら次は清水寺です。山門は下にあるようでしたがとりあえずどこからでも入れるだろうと高い方から回ったのが正解。現在工事中で、裏側からしか入れないようでした。裏は広い墓地になっています。ここの「玉出の滝」は見逃せないんです(『幻坂』を読んだひとにはわかる)。

玉出の滝:
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結界がはられていて中には入れませんが、許可を取れば滝に打たれる修行もできるようです。この滝は大阪市内唯一の天然の滝だそうです。

清水寺のもうひとつの名物は「舞台」です。墓地の一番西の端にあります。なかなか眺めがいいです。昨日の午前中は本当にいい天気で、青い空がきれいでした。気温も暖かかったです。散歩には最適でした。墓地からはあべのハルカスもよく見えました(右)。

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墓地から出て今度は清水坂を下りました。

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最近工事があったのかとてもきれいな坂です。新しすぎてちょっと風情には欠けているのが残念。

清水坂を下って右に曲がると、愛染坂はすぐ近くでした。

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コンクリの素っ気ない坂でした。左手は大江神社。愛染坂と平行して大江神社の階段があります。『幻坂』の中の「愛染坂」のクライマックスで両者が効果的に使われています。下の写真は大江神社から見下ろす形で撮った階段です。

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愛染坂を登り切るとすこし先に愛染堂があります。ここは愛染かつらで有名ですが、奥にある多宝塔は立派でした。重要文化財だそうです。

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そして下の写真が愛染かつらです:

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川口松太郎の愛染かつらは長野県の木らしいので、谷中にもあるとか、色々情報があります。ここの愛染かつらとの関係がよくわかりません。『幻坂』では、確か川口松太郎は震災のあと、大阪で、しかもこの場所の近くで、暮らしていたと書いてあったように記憶します。実際のところどうだったのかはわからないですね。

お昼になったので喫茶店でゆっくりお昼ご飯にしました。

休憩の後は、まず家隆塚(かりゅうづか)に行きました。藤原家隆(いえたか)というのは鎌倉時代の歌人だそうです。新古今和歌集の撰者の一人。すみません、『幻坂』を読むまでこの人のことは知りませんでした。出家し、この場所に「夕陽庵(せきようあん)」を作って暮らし、この地でなくなったようです。

写真の石柱には、よく見ると「家隆卿旧○  夕陽庵(?)」(○は葉で隠れて見えず)と彫られているのが見えます。

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この地からは、かつて、海に沈む夕陽が見えたのです。今は木や建物が邪魔をして眺望は悪いです(通天閣は見えました)。ここに来られたら、ぜひ海と夕陽を想像してごらんになって下さい。
契りあれば なにわの里に宿り来て
   波の入り日を 拝みつるかな   (家隆)


さて、次は口縄坂です。とても細い坂を石段で下りていきます:

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下から見上げるとこんな感じ:

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この坂にはたくさん猫がいるはずだったのですが……最初見つけたのはこの一匹だけ。少し病気持ちの野良猫のようです:

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戻って途中の空き地(野原)〜上の右の写真に少し写っています〜まで行ってみると、猫が日向ぼっこをしていました。

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左の写真には3匹写っています。小さくしたので見えないかもしれません。下の写真の方が、奥の猫の顔がよくわかるかも。右の写真には点のように小さく黒い猫が写っています。う〜む、『幻坂』のせいで、なにやら怪しく見えてきます。

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このあと次の源聖寺坂までは少し離れています。下寺町筋を歩きましたが、お寺がずらっと並んでいます。下の写真は源聖寺坂あたりまで来たときに南を振り返って撮った写真です:

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そして次が、七坂の中で最も見応えのある源聖寺坂です。左がふもとの方。少し上ってから撮ったのが右の写真です。上ではゆっくり右にカーブしています。

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石段の始まるあたりに自転車が駐輪してあるのが少し笑えます。気持ちがわかります。

カーブの終わりあたりから見下ろした写真です:

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そして、そこが終わりではなくて、さらにまっすぐに坂が続いています。

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なにやら異様なビルも見えて来ました(ラブホテルでした)。手前のお寺との対比がなかなか面白いです。ちなみにこのお寺の門や仁王像はまだ新しかったです。仁王像の裏には「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿が彫られていましたが、前が壁で塞がっているので背中しか見えませんでした

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そして、最後が生國魂神社とその北門の前を南北に走る真言坂です。

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今まで見ていなかった大阪の姿を見ることができました。新世界やなんばや梅田だけが大阪ではないんですね。これからもなんども来てみたい場所です。おすすめです。


さて、このときもう13:47。天満橋はまた次のチャンスにまわすことにして、地下鉄の谷町線でアラビクのある中崎町へと向かいました。

続きます。

※ 山口百恵さんの歌に『愛染橋』というのがありましたね。この愛染橋は以前、愛染坂を下ってもっと西に行ったところを流れていた高津入堀川にかかっていたそうですが、今は埋め立てられてなくなってしまったと Wikipedia に書いてありました。[2014.1.7 追記]
posted by dunno at 15:17| Comment(1) | TrackBack(0) | 旅行
この記事へのコメント
有栖川有栖さんと一緒の七坂めぐりのレポートを書いておられる方がありましたのでリンクしておきます。

ブログ「おぉきに。」
『幻坂』ツアー!その1
http://blog.goo.ne.jp/miguel_chan/e/b7be13e5d214f0f9f167507d088fdd99
『幻坂』ツアー!その2
http://blog.goo.ne.jp/miguel_chan/e/b5cfd1920b99c8bed8c7e82c591fedac
『幻坂』ツアー!その3
http://blog.goo.ne.jp/miguel_chan/e/ab9d0b3ab9dbb96d881e6c775bcdb79e

面白いです☆
Posted by dunno at 2014年01月29日 18:13
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