2017年10月15日

ローサは密告された

『エルネスト』に続いて『ローサは密告された』を観ました。

公式サイト
http://www.bitters.co.jp/rosa/


わわわわわ、すごい映画でした。手持ちカメラによるまるでドキュメンタリーのような迫真の映像でした。もちろんドラマですけど。予告編を観て、これは逃せないと思いました。

主人公の名前・ローサがそのまま、店の名前になっている小さな小さな雑貨店。ですが、こっそり麻薬も売っているのです。ある日その店に警察の捜査が入り、麻薬を見つけられたローサと夫は逮捕されてしまいます。

まあ、警察はやりたい放題。正当な手続きをすれば終身刑になるしかない二人に20万ペソ払えば保釈するとふっかけます。そんな大金はないと訴える二人に、警察は売人を密告せよと迫ります。仕方なくそれに応じる二人。この密告の連鎖は、タイトルで分かる通り、次々に続いているんです。釈放してもらえるかと期待した二人ですが、売人から期待するほど金がとれないことがわかり、5万ドル支払えと要求されてしまいます。二人の息子たちはその金を集めることができるでしょうか……。

舞台はマニラのスラム街。これが現実なんだな……と想像すると、なかなかしんどい場所ですね。

※ローサはかなり太めの女性で、しっかりおばさん演技なのですが、顔はきれいでチャーミング。神戸の〇〇〇劇場に似たような人がいます。

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エルネスト もう一人のゲバラ

今朝は、シネマクレール丸の内で『エルネスト もう一人のゲバラ』を観ました。イオンでやっている『あゝ、荒野 前篇』も観に行きたいのですが……。

公式サイト
http://www.ernesto.jp


そもそもチェ・ゲバラのことはほとんど知りませんでした。アルゼンチン出身ということも先ほど公式サイトを見て知りました。ましてや、彼と一緒に日系ボリビア人が一緒に戦い、彼の名前をもらっていたなどというのはこの映画のことを知るまで聞いたこともありませんでした。そういう意味ですごく勉強になった映画です。とはいえ映画として、とても情熱のこもった熱い映画でした。

冒頭、戦後の日本が描かれたところから、すごくよくできていて、引き込まれました。観光はいいと言って原爆病院に行くところ、この時点ですでに込み上げてくるものがありました。チェ・ゲバラに惚れました。

主人公フレディ・マエムラ・ウルタードの父親は鹿児島出身で、ペルーに移民、その後、住む国を変え、ボリビアでボリビア人の女性と結婚し、フレディが生まれたという話が映画の中で出てきました。子供時代は、比較的恵まれた生活をしていたようです。映画の中でも貧しいボリビア人の家族が描かれていました。成長して、キューバの奨学金を得て、ハバナの医大に留学し、医師を目指します。優秀な成績で、学生でありつつ助手としても仕事をするという順風満帆の生活をしていた折、祖国ボリビアでクーデターが起こり軍事政権が樹立します。そして、ゲバラの率いる特殊な部隊に志願するのでした……。

ボリビアでゲリラ活動し、政府軍に捕らえられ銃殺されたのが25才のとき。オダギリジョーさんは、さすがにちょっと年を取りすぎていますが、精悍で若々しく、まっすぐな心をもったフレディを完璧に演じていました。しかもボリビアなまり(なんだそうです)のスペイン語をしゃべり続けたのですから、すごいです。

ゲバラやマエムラのようなインテリの理想と、先住民族をはじめとする現地の貧しい人々の望むものとのくいちがいも描かれていて、単に彼らをヒーローとしてだけとらえる映画ではありませんでした。

ネットに太田昌国さんという方の新聞掲載記事および講演原稿がありました。ぜひお読みください。下の方の記事にはマエムラのことも出てきます。
「チェ・ゲバラ没後40年」 (2007.10.9)
http://www.jca.apc.org/gendai/20-21/2007/guevara.html
「チェ・ゲバラが遺したもの」 (2007.11.29)
http://www.jca.apc.org/gendai/20-21/2007/guevara2.html
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2017年10月14日

パーソナル・ショッパー

一度家に帰って遅い昼食をとり、また夕方からシネマクレールで『パーソナル・ショッパー』を観ました。

公式サイト
http://personalshopper-movie.com


映画館で予告編を観て、ちょっと気になったので観に行きました。スリラーかと思って観に行って……確かにある意味、スリラーなんですけれど、もっと違うジャンルの映画でした。最初、違う映画を観に来てしまったかと思ったぐらい。主人公の若い女性が古い屋敷に一人で泊まりに来ます。いや、正確に書くと、姉も一緒に来るんですが、姉は帰ってしまうんです。そしてだんだん暗くなって……屋敷のどこかで音がします。誰かがいるんです。主人公は「ルイス? いるの?」と声をかけますが……。

とても怖い導入部でした。なにしろ朝一で『エル ELLE』を観ていますからね、どこからか変質者が襲ってくるんじゃないかと本当にドキドキしました。

公式サイトを観てもネタバレ的なことは一切触れていないのでこの映画のジャンルのことはぼくも書かないことにします。

主人公のところに謎の人物からあやしいメッセージが届き、その人物にある意味翻弄され、結局殺人事件の第一発見者になり、しかも犯人と疑われそうな仕掛けまで仕組まれてしまうのですが、その細かい謎解きは全くありません。監督の意図はもうひとつの「あっち」の方のことだったのでしょうか。全く意味不明な終わり方であっけにとられてしまいました。結局首をひねってしまう映画でした。

でも、主人公のモーリーンを演じた女優さんはいい感じでした。好きです。クリステン・スチュアートという方だそうです。覚えておきます。
posted by dunno at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

エル ELLE

今日、シネマクレール丸の内で『エル ELLE』を観ました。

公式サイト
http://gaga.ne.jp/elle/


主人公ミシェルを演じているイザベル・ユペールという女優さんを最近までよく知らなかったのですが、『アスファルト』という映画で、なんだか魅力的な人だなと思って気になり始めたのです。
http://flim-flam.sblo.jp/article/178468780.html

なんだか「後味の悪い映画」というような紹介文も見たのですが、全然そんなことはありませんでした。ミシェルはなかなか魅力的な女性。他の女性(友人のアンナ、隣人のレベッカ、息子の妻、元夫の恋人)も、それぞれチャーミング。一方、男はどうしようもないかも……。最後は予想を裏切るいい結末でした。ミステリーっぽいところもある映画なのであまり筋立ては書きません。気に入りました。色んな人間関係が出てくるんですが、フランスだからいいんじゃないかな(笑)。ただ暴力は多いので、苦手な人はやめておいた方がいいかもしれません。
posted by dunno at 16:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

ソウル・ステーション/パンデミック

10月1日(日)の夜、シネマクレール丸の内で『ソウル・ステーション/パンデミック』。

メルパで観た『新 感染』の前日譚を描いたアニメです。ただ、本当に前日譚かというとちょっとおかしい感じもしました。このアニメの段階で、すでにソウルはほとんど戒厳令が出ているような状況です。新幹線が動くとはとても思えません。それにあの乗客たちはどうやって駅までたどり着けたのでしょう。よくわかりませんが、ほぼ同時進行ということなのでしょうか……。まあそれはさておき……

公式サイト
https://pandemic-movie.com


『新 感染』ではある程度「安全」な場所ってあったのですが、こちらではそういうことがなくて、もうハラハラ・ドキドキの連続でした。よくできたアニメだと思います。ただ、ある人物の描き方がやや詐欺的にずるいかもしれません。

シネマクレールでは字幕版の『新 感染』を月末から一週間やる予定です。ちょうど週末に東京に行くので、日曜日になんとか観に行けるかどうか微妙。メルパでは吹き替え版でしたので、ぜひ観たいのですが……。
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パターソン

10月1日(日)、シネマクレール丸の内で『パターソン』を観ました。

パターソン(NJ)という町に住むパターソンというバス運転手の一週間を描いています。

公式サイト
http://paterson-movie.com


毎日、判を押したような生活を繰り返す主人公は詩を書くのが趣味。映画の中で、偶然やはり同じようにノートに詩を書く人物と出会ったりします。全然知らない人なんですが、この町出身にウィリアム・カーロス・ウィリアムズという詩人がいて『パターソン』という詩集を出しているそうです。この詩人の名前は映画の中でもよく出てきます。

日本では一般人では、詩よりも短歌や俳句をたしなむ人が圧倒的に多そうです。ぼくは全くそういう類のものを創作する能力はありませんが、読むのなら近年好きになってきました。年をとったせいかも。好きといっても、土曜日の日経の俳句・短歌の投稿欄の半分くらいをざっと眺める程度。(先日値上げのお知らせがあったので、今月末でやめて、山陽新聞一紙だけ購読することにしました。心残りはこのページと最後の文化面だけかな……) この主人公のように、淡々と生きて淡々と詩を綴って生きているってなんだかいいですね。奥さんは一緒にいるとちょっと疲れそうなひとですが、かわいいですし、飼っている犬もいいキャラクターです。町にはきれいな公園(パターソン・グレート・フォールズ国立歴史公園)があって、滝まであるんです。いつか行ってみたくなります。

そうそう、この主人公、携帯やスマホを持っていないんです。それもいいですね〜。

最後に突然日本人が出てきます(永瀬正敏)。彼も詩人です。この映画の雰囲気にぴったしで、違和感は全くありませんでした。最近、まともな役が続いてますね。

いい映画でした。好きです。
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2017年10月02日

ダイ・ビューティフル

9月30日にシネマクレール丸の内で『ダイ・ビューティフル』を観てきました。トランスジェンダーの「女性」を描いたフィリピン映画です。

公式サイト
https://www.cocomaru.net/diebeautiful


予告に描かれているように、ミスコンでの優勝を夢見ていた「トリシャ」がついにミス・ゲイ・フィリピーナに選ばれたその直後、トリシャは急逝してしまいます。一週間続く通夜では、日替わりで有名スターそっくりにメイクして美しく死ぬことを望んでいたトリシャの希望をかなえようと仲間が奔走します。

にぎやかで楽しそうな話にも見えますが、実際は父親や思春期になった養女との葛藤、学生時代の悲惨な体験の記憶、愛する男性を失う悲しさ、ミスコンでの失敗……などなども描かれて、なかなかしんどい映画です。通夜の描写と、過去の描写が交互にあって、やや、わかりにくい個所もありました。

個人的には、化粧をしない人が好きなので、どうしてそんなに美しくなりたいと思うのかはあまり理解できないのですが、まあ、それは本当に人の好き好き。生きたいように生きたのですからそれでよかったのでしょう。ただ、養女にまでミスコンへの出場を無理強いしたのはよくなかったですね。本人がいやがっていたのに……。この子が小さい時も、そして成長してからも、なかなかチャーミングな子でした。

ところで配給は「ココロヲ・動かす・映画社 〇」という妙な名前の新しい会社です。『私の少女時代』を配給してくれたのもこの会社。またいい映画を配給してほしいです。
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2017年09月30日

ドリーム

午前中、イオンシネマ岡山で『ドリーム』を観てきました。

公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/dreammovie/


話題作です☆ 「映画を語る会in岡山」の課題作にも選ばれています。早速、行ってきました。

よかった〜☆☆☆

1961年から1962年のアメリカはまだ人種差別の厳しい時代。バージニア州ハンプトンにあるNASAの研究所で「計算」する仕事に携わる3人の黒人女性を描いた作品です。

ちょっと関係のありそうな歴史を復習しておきます:
1955年12月 アラバマ州モンゴメリーでのバス・ボイコット(ローザ・パークス、キング牧師)
1961年4月 ソ連ボストーク1号が初めての有人宇宙飛行に成功(ガガーリン)
1962年2月 マーキュリー・アトラス6号打ち上げ(グレン)
1963年8月 ワシントン大行進(キング牧師の有名な演説 "I have a dream.")
1963年11月 ケネディ大統領暗殺・ジョンソン大統領就任
1964年7月 公民権法制定

差別のため八方ふさがりの中、3人はしっかり自分の進みたい道を歩んで行きます。そして言うべき時にはしっかり主張をするところが偉いです。

数学が得意なキャサリンが一番メインで描かれます。白人男性ばかりの職場で苦労し、トイレも半マイル離れた建物までいかないといけないという悲惨な殊遇。雨でずぶぬれになって職場に戻って、不在を上司に責められたときの彼女の発言では思わず声がでそうになるほどこみ上げるものがあり、涙を流してしまいました。

オススメです。
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